イグ・ノーベル賞 2018年 日本人の受賞は12年連続!【過去の日本人の受賞理由も】

2018年の「イグ・ノーベル賞」授賞式が行われ、長野県の総合病院に勤める医師が受賞しました。

「イグ・ノーベル賞」を、日本人が受賞するのは12年連続となります。

「イグ・ノーベル賞」とは、いったいどんな賞なのでしょうか?

また、これまで選ばれた「イグ・ノーベル賞」についても紹介します。

 

イグ・ノーベル賞 とは

人を笑わせ、そして、考えさせる研究

世の中には、そんな、「ふざけているのか真面目なのか分からない」ような研究を行う人たちが存在します。

そんな人たちの功績を称える賞が、「イグ・ノーベル賞」です。

「イグ・ノーベル賞」とは、ノーベル賞のパロディーで、ユーモアのある研究や開発に贈られる賞です。

そんな「イグ・ノーベル賞」ですが、12年連続で日本人が受賞しています。

日本人には、意外とユーモアのセンスがあるのでしょうか。

2018年 医学教育賞

2018年の医学教育賞を受賞したのは、長野県・昭和伊南総合病院の 堀内朗内 科診療部長です。

受賞理由は「座位で行う大腸内視鏡検査―自ら試してわかった教訓」です。

堀内さんは、内視鏡の専門医で、同病院消化器病センター長を努めています。

取材に対して堀内さんは、

地域から大腸がんをなくしたい、その試行錯誤を評価してもらったと思う

と語っています。

 

大腸がん検診などで受ける内視鏡検査は、通常は横に寝た状態で肛門から管状の内視鏡を体内に入れていきます。

堀内さんは、痛みや不快感を減らす方法を探していて、座った姿勢のままで受ける方法を思いついたそうです。

イスに腰掛けて少し股を開き、口径の小さな内視鏡を自分の肛門にゆっくり入れてみたところ、「驚くほど容易にできた」といいます。

この研究は、合計4回試し、内視鏡の入れにくさと、感じる痛みや不快感がそのたびに異なることも発見したということです。

このことは、2006年に米消化器内視鏡学会誌に、体験談を発表しています。

ただし、

座った姿勢で医師が内視鏡を入れる検査は、恥ずかしがって受けたがらない人が多く、採用していない

というオチがつくあたりが、「イグ・ノーベル賞」っぽいですね。

また、「イグ・ノーベル賞」には、もう一つのオチがあるのですが、それは最後に紹介しようと思います。

スピーチでのお約束

授賞式では、モニターに映し出された自分の腸内を見つめる姿をイラスト付きで紹介したり、実際に行う様子を「ちょっとやり方を見せましょうか?」と英語で説明しながら解説し、会場の笑いをとっていました。

また、堀内さんは、「おかしく見えるでしょうが、私は多くのことを学びました…」と英語でスピーチしていましたが、60秒以上スピーチしてしまったために、

タイクツだからもうやめて!もうやめて!ウンザリ!

と、ステージ上に女の子が現れて、話を遮られてしまいました。

これは、お約束のようです。

なんとも楽しい授賞式です。

 

過去の日本人受賞理由

日本からは、ほぼ毎年のように受賞者がいて、アメリカ、イギリスに次ぐ「イグ・ノーベル大国」になっています。

「イグ・ノーベル賞」を創設したマーク・エイブラハムズさんは、「日本とイギリスは、変人であることを誇りにする国です」と語っています。(もちろんユーモア)

過去のの日本人のイグ・ノーベル賞受賞者は、以下の通りです。

1992年 医学賞

「足の匂いの原因となる化学物質の特定」という研究に対する功績

1995年 心理学賞

「ハトを訓練してピカソの絵とモネの絵を区別させる」という研究に対する功績

1996年 生物多様性賞

岩手県の岩石からミニ恐竜、ミニ馬、ミニドラゴン、ミニ王女など1000種類以上に及ぶ「ミニ種」の化石を発見という功績
(「ミニ種」はいずれもすでに絶滅しており、体長は0.3mm以下だった。)

1997年 生物学賞

「人がガムを噛んでいるときに、ガムの味によって脳波はどう変わるのか」という研究に対する功績

1997年 経済学賞

「たまごっち」により、数百万人分の労働時間を仮想ペットの飼育に費やさせたという功績

1999年 化学賞

夫のパンツに吹きかけることで浮気を発見できるスプレー「Sチェック」を開発した功績

2002年 平和賞

犬語翻訳機「バウリンガル」の開発によって、ヒトとイヌに平和と調和をもたらした功績

2003年 化学賞

「ハトに嫌われた銅像の化学的考察」に対する功績
(兼六園内にある日本武尊の銅像にハトが寄り付かないことをヒントに、カラス除けの合金を開発した。)

2004年 平和賞

カラオケを発明し、人々が互いに寛容になる新しい手段を提供した功績
(歌によって相手に苦痛を与えるためには、自らも相手の歌による苦痛を耐え忍ばなければならない。)

2005年 生物学賞

131種類の蛙が、ストレスを感じているときに出す、特有のにおいを全部嗅ぎ分けて、カタログ化した、骨の折れる研究『においを発するカエルの分泌物の機能と系統発生的意義についての調査』についての功績

2005年 栄養学賞

34年間、自分の食事を写真に撮影し、食べた物が脳の働きや体調に与える影響を分析した研究に対する功績

2007年 化学賞

ウシの排泄物からバニラの香り成分「バニリン」を抽出した功績

2008年 認知科学賞

単細胞生物の真正粘菌にパズルを解く能力があったことを発見したことに対する功績

2009年 生物学賞

ジャイアントパンダの排泄物から採取したバクテリアを用いると、台所の生ゴミは、質量で90パーセント以上削減できることを示した研究に対する功績

2010年 交通計画賞

鉄道網など都市のインフラストラクチャー整備を行う際、真正粘菌を用いて、輸送効率に優れた最適なネットワークを設計する研究に対する功績

2011年 化学賞

火災など、緊急時に眠っている人を起こすのに適切な空気中のわさびの濃度発見と、これを利用したわさび警報装置の開発に対する功績

2012年 音響賞

自身の話した言葉を、ほんの少し遅れて聞かせることで、その人の発話を妨害する装置「スピーチジャマー(Speech Jammer)」の発明に対する功績

2013年 化学賞

たまねぎに多く含まれているアミノ酸を反応させると、涙を誘う「催涙物質」が作られ、目を刺激し、涙が自然と出てくる仕組みになっている研究に対する功績

2013 医学賞

心臓移植をしたマウスに、オペラの『椿姫』を聴かせた所、モーツァルトなどの音楽を聴かせたマウスよりも、拒絶反応が抑えられ、生存期間が延びたという研究に対する功績

2014年 物理学賞

床に置かれたバナナの皮を、人間が踏んだときの摩擦の大きさを計測した研究に対する功績

2015年 医学賞

キスで、アレルギー患者のアレルギー反応が減弱することを示した研究に対する功績

2016年 医学賞

前かがみになって股の間から後ろ方向にものを見ると、実際より小さく見える「股のぞき効果」を実験で示した研究に対する功績

2017年 知覚賞

雄と雌で生殖器の形状が逆転している昆虫(トリカヘチャタテ)の存在を明らかにしたことに対する功績

2018年 医学教育賞

「座位で行う大腸内視鏡検査―自ら試してわかった教訓」に対する功績

おわりに

ほんとに、ふざけているのか真剣なのか、わからないような研究や功績ばかりです(笑)

でも、このような研究や「イグ・ノーベル賞」って素敵ですね。

 

今回受賞した堀内さんによると、内視鏡検査で見つかった大腸ポリープを切除すれば、大腸がんの発症を9割抑えられるといいます。

堀内さんたちの病院では、日帰りで手軽に検査を受けてもらおうと、覚めやすい鎮静剤を用いるなど工夫しています。

検査数は、地方の病院としては異例の年15,000人に達し、全国的から注目されています。

ただし、座った姿勢で医師が内視鏡を入れる検査は、恥ずかしがって受けたがらない人が多く、採用していない、ということです。

最後に、

「イグ・ノーベル賞」受賞者には、なんと10兆ドルもの賞金が贈られるのですが…

その通貨は、ジンバブエ・ドルのため、実際の価値は1円にも満たないということです(笑)


今回も、ご覧いただき、ありがとうございました。


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