デジタルマネーで給与支払い 2019年に解禁!仮想通貨(暗号通貨)の扱いは?

2018年10月、厚生労働省は、企業などが従業員に、デジタルマネーで給与が支払えるように、規制を改正する方針を固めました。

早ければ、2019年にも、銀行口座を通さずに、プリペイドカードやスマートフォンの資金決済アプリなどに、送金できるようにする見通しです。

今回の改正では、従業員が、現金として引き出すことができ、資金を手厚く保全することなどが条件となります。

政府としては、世界的にみて、かなり遅れている、日本のキャッシュレス化を後押しする狙いがあるようです。

 

労働基準法(第24条)

現行の労働基準法(第24条)では、賃金の支払いに、

賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を、毎月1回以上、一定に期日を定めて支 払わなければならない

という5つの原則を定めています。(賃金支払い5原則

そのなかで、

労働者への給与の支払いについては、通貨(現金)を原則としています。

ただし、労働者の同意があれば、現金支給ではなく、銀行口座への振込が認められています。

 

1.通貨払いの原則

(1)現物給与の禁止
賃金は、通貨で支払わなければなりません。したがって、小切手や現物給与は禁じられています。ただし例外として、法令または労働協約に別段の定めがある場合には、通貨以外のもので支払うことができます。(例 : 通勤定期券などの現物支給)

(2)預貯金口座への振込み
労働者本人の同意を得た場合には、労働者が指定する金融機関の本人名義の預貯金口座への振込み、または証券総合口座への払い込みの方法によって支払うことができます。

 

厚労省は、この例外規定にデジタルマネーを加える方向で、金融庁や関連業界と調整に入りました。

2019年に労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で議論に着手し、早ければ、同年中にも、労働基準法の省令を改正する方針です。

改正案

デジタルマネーでの払いは、企業が指定したカードや決済アプリに、給料を入金する仕組みになります。

労働者が、入金された給与をATMなどで月1回以上、手数料なしで現金で引き出せることなどが条件となります。

このため、入金機能しかないカードは、対象から外れることになります。

また、価格変動の激しい仮想通貨も対象に含まない方針です。

資金移動業者

デジタルマネーでの払いを導入する企業は、プリペイドカードなどで資金決済ができる「資金移動業者」として金融庁に登録した上で、厚労相の指定を受けることが必要になります。

現状では、資金移動業者の1回あたりの送金額は、100万円が上限と定められており、そのため、毎月の給与の入金金額も100万円が上限になる可能性があります。

資金移動業者には、利用者から預かるお金を100%以上保全する義務があります。

厚労省は、給与が引き出せなくなるといった事態を防ぐために、デジタルマネーで給与を払う企業には、一般の資金移動業者よりも厳しい基準を適用する方向で検討を進めています。

また、希望する従業員には、現金など他の支払い手段も選択できるようにすることも、条件として調整しています。

おわりに

給与のデジタルマネー支払いの解禁は、2018年3月に東京都などが要望していました。

銀行口座の開設に、手間がかかる外国人労働者向けに「国家戦略特区」として、実施を求めていたものですが、全国で解禁することとなりそうです。

解禁後も「給与は現金払いを原則」とする考え方は変わらず、デジタルマネーでの支払いには、厳しい要件のもと、選択的に採用されることになりそうです。

実際に、どれだけの企業が採用に踏み切るのか、また、どれくらいの日本人の労働者が、それを希望するのでしょうか?

また、受け取る側の、日本人労働者のメリットが、いまひとつ見えてきません。

たとえば、デジタルマネーでの支払いを選択した場合、たとえば税制上の優遇措置が受けられるなど、なんらかのメリットはないのでしょうか?

この件については、引き続き調査が必要なようです。


今回も、ご覧いただき、ありがとうございました。


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